【英断】尾田栄一郎先生、スタッフが半年かけて作った脚本を「これじゃ100億いかない」とボツにしてしまう
さすが尾田っち
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──「ONE PIECE FILM RED」は、2022年の興行収入1位。歴代の「ONE PIECE」映画の中でも頭ひとつ抜けたヒットとなりました。
今まで「ONE PIECE」の映画の興行収入は、最大で「ONE PIECE FILM Z」の68億円だったんです。尾田さんも含めた打ち合わせで「次は100億を超えるような映画にしたいね」っていう目標を定めたところから「FILM RED」は始まったんですけど、その倍ぐらいまで積み上がって。想像をはるかに超えた数字になったなと。
──企画の始まりとしては、前作の「ONE PIECE STAMPEDE」が終わってすぐという感じでしょうか?
いえ、2019年2月ぐらいだから「STAMPEDE」公開の半年前からですね。そこから半年ぐらいかけて、脚本の初稿ぐらいまでいったんです。でもそこで尾田さんが「この内容だと100億は難しいんじゃないか」「ゼロにしてもう一度みんなで考え直しましょう」と。原作者としてだけじゃなく、プロデューサーとしての感覚なんでしょうね。なかなかできない判断ではあると思います。
──厳しいですね……。その初稿までの脚本は、梶本さんから見ると面白そうなものでしたか?
はい。でも今までは68億がマックス。「ONE PIECE」が好きな人が観に来て68億なら、残り32億はどうするんだと。100億という数字を目指すにあたっては、今まで来てないお客さんにも来てもらわないとその数字にはならない。そういうところで考えると、今思えば確かにあの内容だと難しかったかもしれないなと。
──言い方は悪いですけど既存の映画の延長というか。
そうですね。もちろん要素としては今までの作品プラスアルファはあったんですけど、それも結局はあくまで「ONE PIECEを好きな人がより興味を持ってくれるのでは」という要素だったかもしれないです。
──では今回は本当に、とにかく「ONE PIECE」ファン以外に届けようという意識が強かったわけですね。
もちろん今まで観に来てくれた人はしっかり来ていただかないといけないっていうのはありつつ、さらに新規の層に届かせるっていう、2つを合わせたもので考えてましたね。
数字出そうとして本当に200億のもの作らるからとんでもない才能だよな尾田っち
それで成功してるんやからすげえな
尾田っち有能すぎ
──そこで生まれたのがシャンクスの娘・ウタというキャラクターだった。
1回ゼロになったところで、尾田さんから「今回は敵役の場所に女の子を置いてみたらどうでしょうか」と提案がありました。
──映画の第1報のときに、尾田さんが「映画で伝説のジジイ描くのもう疲れたんだよ!笑 ちょっと女子描かせてくれ!」とコメントされてましたが、女の子を出すのは尾田さんからの提案だったと。
そうです。そこでこれまでとはまったく違う発想が生まれるんじゃないかっていう。
──シャンクスの娘という設定も尾田さん案なのでしょうか。
そこは我々からでした。
──シャンクスは原作に大きく関わってくるキャラなので、尾田さんにその提案をするのはプレッシャーがありそうですね。
設定を作る中で、尾田さんからは「僕を困らせるぐらいのものを準備してください」「そういうものを投げかけてください」という注文があったんです。今までの「FILM」シリーズ(「ONE PIECE」劇場版の中でも、尾田が製作総指揮・総合プロデューサーとして関わっているもの)でも何かしら原作とのリンクは欲しいと思ってるし、「原作のこのキャラはまだ掘り下げられるんじゃないか」「原作で通り過ぎたけど、ここの話の隙間で何かあったんじゃないか」とかは、みんなで考えるんですよ。
──「この海賊団の過去はまだ原作に出てきてないですよね」みたいな。
そうですね。そういうのを持ち寄って、「ここを一緒に膨らましませんか」という話は尾田さんにするので、ウタのときも「これぐらいの設定だったら尾田さんも『おお』ってなるんじゃないか」と思いながら準備しました。そして我々が最初に提案した時点では、シャンクスが映画に登場することまでは想定してなかったんです。ルフィとシャンクスが再会できるかどうかっていうのは、さすがに原作でも重要な話だからタッチできないなと。でもシャンクスの娘という設定を尾田さんに出したら「だったらシャンクスを出さないわけにはいかないですよね。どうやって出しましょうか」という提案もいただきました。
──結果的には、シャンクスはちゃんと出番があって、ルフィとは再会こそしてないけど……という絶妙な落としどころでした。
そうですね。そこは脚本の黒岩(勉)さんが素晴らしいアイデアを提案してくれたおかげです。
今回の映画内容自体は正直つまらんって聞いたけどどうなん?
>>15
面白いよ
アマプラで見てこいよ
>>15
よくも悪くもワンピースらしくはなかったとは思うけど総合的に見てちゃんと纏まってて面白かったよ
強いて言えばフィルムZに近しい部分はあるけど
ただルフィガチ恋勢は認めたくない内容だろうなと思った
>>15
アマプラで見ればいい
映像はMVとしてすごい頑張ってる
話は最近のワンピ映画らしくキャラ多すぎて散らかってるからアニメや原作読んでない人はついていけないかも
ルフィのこと恋愛的に好きな人がいっぱいいる事にびっくりした映画
ハンコックは自己投影できるからいいらしいけどウタはダメなんだってね
>>75
腰に手を回すのは解釈違い!で草生えた
これは世界の尾田
アマプラで見たけど画面見ずに音声聞いてるだけで大体満足できるわ
映画館の音響なら気持ちええやろな
言うだけ言って失敗ならビッグマウスやけど
奇跡なタイミングで新時代の歌姫Adoちゃんがデビュー
──なるほど。そしてウタの歌唱キャストにAdoさんが起用され、数多くの人気ミュージシャンが楽曲を提供して大きな話題となったことも、本作の大ヒットの理由の1つかと思います。映画の中心となるキャラだけに、選考はかなり難しかったのでは。
まず尾田さんとしては、とにかくみんなが聴いて驚くような歌声を持った人をここに配置したいというのがありまして。ちょうど「うっせぇわ」が世の中にバーッと出てきてた頃にAdoさんの名前が挙がったのかな。その1曲だけだと我々も判断が難しかったんですけど、そのあと彼女がリリースしていく曲を先行して聴かせてもらったら、全然違うテイストでも歌い上げていて、「あ、ものすごく幅のある方なんだ」と。今回は幅だらけのいろんな楽曲を用意しようと思っていたので、これはいけそうだぞと。そしてAdoさんもなかなか謎に包まれた方というか、生活スタイルもウタに似ている部分があったりして。
──ウタは配信で人気になった歌姫で、劇中の冒頭でのライブで初めて観客の前に姿を現します。歌唱力、表現力だけではなく、そういったキャラクターもハマっていました。
黒岩さんのこだわりとして、映画では単に「ONE PIECE」の物語を描くだけでなく、現代で起きていること、今の若者や世界が抱えることを脚本にしっかり落とし込みたいっていうことはおっしゃっていました。そういった意味ではAdoさんという歌い手はぴったりでしたね。
──Adoさんの起用が決まってから脚本に反映しようとか、こんなに表現力があるなら音楽要素をもっと増やそうみたいな部分もなく?
それはないですね。脚本にも最初から歌う場面は書かれていたので。
──Adoさんのキャラクターありきじゃないとこんな話にならないのでは、でも企画が立ち上がったときはまだAdoさんは世に出ていなかったはず……と不思議に思ってたんですが、全部奇跡的にハマったんですか。すごい。
はい。「こんなにすべてのピースがハマっていくものなのか」というぐらいきれいにいろんなことがそろいました。高い目標があって、そこを目指すために全員が同じ方向を向き、努力した結果でもあります。
── 映画がこれだけヒットしたのは、最初に言っていた「新しいファンに届かせたい」という思いが叶ったということだと思うんですが、やはりAdoさんの起用は大きかった?
そうですね。Ado さんが出てくれて、しかもAdoさんが歌を7種類も歌うというのは、映画を世の中に広めていくうえではすごく大きな役割をしていただいたなと。「ONE PIECE」ファンはどうしても10代、20代がウイークポイントなんです。少年マンガではあるんですが、連載は25年も続いてるので。でもAdoさんは「うっせぇわ」で世に出てきたときから、幼稚園児から大人までみんなが認知してくれてますからね。
──ウタというキャラも子供に人気がありそうです。
ウタは女の子に強いとは思ってたけど意外と男の子にもハマる子が多いみたいです。僕も小学生の子供がいますが、周りの友達も「3回観に行ったよ」「5回目観に行くよ」みたいな子供がいました。尾田さん自身「子供にもっと知ってほしい」っていう気持ちを持たれている方なんですが、今回の映画をきっかけに子供のファンがものすごく増えましたね。夏休みっていうのも大きかったと思います。
ウタのライブを映画館で観たいがために2回見に行ってしまったわ
尾田くん見直したぞ
勿論Adoパワーも大きいとは思うけども
特典のおかげやろ
名塚佳織は良かったわ
正直次もREDみたいな路線やられるときっついなとワイは思う
>>45
ワノ国の総集編でええぞ
テンポええのを観たい
次回作楽しみや
──これだけヒットすると「次の映画はどうするんだ」ということになってきますよね。数字もプレッシャーでしょうし、内容的にも「強いおっさんに飽きたから女の子、しかもシャンクスの娘」というのをやってしまい。現段階からもう何か動いてるんでしょうか。
そろそろ次の話をしたいなあと思ってる段階ですね。今回は公開のタイミングだったり時代背景とのマッチだったり、いろんなことがプラスに働いて、一種の奇跡が起きた結果なので、なかなか同じ数字は難しいと思いますし。でも「新しいことに挑戦しなくてはいけない」というのは間違いなく、関わったみんなが気付いたというか肝に銘じたということだと思うんで、その「新しいこと」がなんだったのかっていうのを改めて話すところから始まるのかなと。
──次回作で、いろんな事情を考えない場合、梶本さんが個人的に映画で見てみたいなというお話はありますか?
あるけど言えないです(笑)。
ボツった初稿も悪くないんなら出してほしいわ